お知らせ令和6年度6月学長記者会見
令和6年度6月学長記者会見
- 日時
- 2024-0628
- 場所
- 県庁記者会見室

▲説明をする北野学長
【事項1】医学部に新たな寄附講座「高度医療人育成講座」の開設
~ロボット手術・AI診療・若手医療人育成の3本柱で 地域医療の活性化を促進!~
超高齢社会の到来により、医療を受ける患者にとって、これまで以上に体に負担の少ない医療が求められています。このような背景を受けて、近年では、ロボットやAIなどの先端技術を用いた医療が急速に開発・進化しており、大分大学では、いち早く、ロボット手術やAI支援画像診断など導入を進めてきました。
大分の地域医療においても、これらの体の負担の少ない医療を提供しうる先端医療技術を安全に導入し普及させるためには、高度医療を担う人材育成の拠点が必要です。
2024年4月1日付で開設された本講座は、大分市医師会による寄附講座であり、大分の地域医療において、ロボット支援手術やAI支援診断などの高度医療を担う人材育成を目的としています。専任教員は教授1名(白下英史教授)、講師1名(平下有香講師)で大分大学医学部内に開設されました。
本講座の開設により、地域医療機関での高度医療の円滑な導入と地域で活躍しうる高度医療人の育成が加速し、大分の地域医療の活性化が大いに期待されます。
本寄附講座の特徴は、大分市医師会と大分大学医学部の人(患者および医療人)にフォーカスした地域医療推進連携モデルです。
具体的な活動内容は以下のとおりです。
1.地域医療機関のロボット支援手術の円滑な導入および指導者や医療従事者(医師・看護師・臨床工学技士など)の育成。
2.画像診断や内視鏡診断のAI診断支援システムや内視鏡手術におけるAI手術支援システムの円滑な導入。
3.大分大学医学部学生(地元出身者枠など)に対して、地域で活躍しうる先端医療習得のためのカリキュラム作成やキャリア形成サポート。
以上により、安全性を確保しつつ医療の質を向上させ、高度医療人の育成を行い、大分の地域医療の活性化を目指します。
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【事項2】隠れ心房細動の後期高齢者は日本全国で104万人!?”
臼杵市・杵築市等との連携による脳梗塞予防のための心房細動検出研究の成果発表
日本の心房細動患者は100万人を超えており、その多くに脳梗塞(心原性脳梗塞)を引き起こします。心房細動の診断には、心房細動が出ているときの心電図を記録することが必須となりますが、心房細動であっても症状のない患者、あるいは、普段は正常な脈で、時々心房細動をきたす発作性心房細動患者は見逃されることが多いのが現状です。
そのような“隠れ心房細動”患者の早期発見には、長期間測定可能な心電図検査が有用で。心房細動と診断できれば、脳梗塞予防のために抗凝固剤を投与し、またカテーテルアブレーションで根治させることも可能です。
本研究では、一般住民を対象に、脳梗塞リスクが高い日本人集団における未診断のすべて(発作性および持続性)の心房細動の有病率を評価しました。
国立大学法人大分大学、臼杵市、杵築市、大分県後期高齢者医療広域連合、一般社団法人臼杵市医師会、杵築市立山香病院、JSR株式会社(JSR)、日本コンベンションサービス株式会社(JCS)という、アカデミア、行政、企業が一体となって行いました。
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【事項3】高性能放射線治療器の本格稼働
~従来よりも正確かつ安全な集中照射で、副作用の少ないがん 治療を~
当院では2024年4月から、新しい放射線治療器の2台が本格的に稼働しています。
放射線治療とは主にがんに放射線を照射して行う治療で、手術、化学療法とともにがん治療三本柱の1つです。
放射線治療は日進月歩で発展しています。当院の2台の治療器はそれらの治療法に対応できる高性能放射線治療機です。従来の治療器よりも放射線を病巣部に正確かつ安全に照射できます。病巣以外の線量を低減できるため、副作用を少なくすることが可能です。
当院では放射線治療に習熟した専門の医師、技師、看護師のチームで担当します。新しい治療器を使用し、さらに高品質の治療が提供できるように励んでいます。
当院で導入された治療器はTrueBeam(バリアン社)とTomoTherapy Radixact(アキュレイ社)です。
■TrueBeam(バリアン社)について
ほとんどのがんに対応し、従来の治療から、強度変調放射線治療(※1)や定位放射線治療(※2)といった高精度治療まで対応している治療装置です。
※1強度変調放射線治療とは…複雑な照射範囲であっても、その形状に合わせて照射できる技術
※2定位放射線治療とは…ミリ単位の精度でピンポイントに照射する技術
■TomoTherapy Radixact(アキュレイ社)について
CTのように回転しながら照射する強度変調放射線治療に特化した治療器です。複雑な形をした照射範囲でもターゲットに集中して照射し、周囲の線量を低減できます。
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【事項4】2024年度オープンキャンパスの開催 ~あなたの夢、ここから始まる~
令和6年度(2024年度)大分大学オープンキャンパスは、対面方式(大学キャンパスでの開催)とオンライン方式(Web上での開催)の両方で実施する予定です。
開催に当たっては、会場等の都合により、一部人数制限・事前申込が必要となる学部等がありますので、大分大学アドミッションセンターのホームページをご確認ください。
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その他の情報
【事項1】令和6年度おおいた地域連携プラットフォーム総会の開催
「おおいた地域連携プラットフォーム」における定時総会を開催し、令和5年度の活動報告及び令和6年度の活動方針を協議します。
おおいた地域連携プラットフォームは、令和3年4月に設立され、大分県の産学官合わせて62機関が加入しているオール大分の組織です。(会長:大分大学北野学長)
今回の総会は、令和5年度の活動の総括及び令和6年度の活動方針を議論する場として、各協働機関のトップが一堂に会し、意見交換を行います。
今年度は3年ぶりに対面での開催となり、会の冒頭では、委員である佐藤樹一郎大分県知事にご挨拶いただく予定です。
■開催日時:令和6年7月9日(火)14:00~15:30
■開催場所:J:COM ホルトホール大分 3階 大会議室
【事項2】令和6年度女子中高生の理系進路選択支援プログラム
女性活躍推進に前向きな企業群との協働した女子生徒育成活動の立ち上げと、産学協働型リケジョ育成システムの拡大。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、未来に活躍する理系女性研究者、開発者を増やすために、主に高校生を対象にした「リケジョ事業」を競争的資金事業として展開してきました。
本学で、女子学生比率の低い理工学部が「女子中学生から女性開発者へのトランスフォーメーション-科学に「ときめく」女性の持続的育成システム開発」事業を申請し、昨年、2023~2024年度の事業(支援総額600万円)として採択されました。
本学では、男女共同参画推進室が、2015年度、2016-2017年度の過去2回、本事業に採択されたことを起点として「高校生と保護者」を対象に活動していますが、今回の採択を機に、2023年度より大分県の都市部と過疎エリア双方の「女子中学生」のリケジョ育成活動にも着手しています。
中高生と保護者に対する科学の出前講義、大学での実験演習と模擬講義、親子で体験する夏休み科学実験と大学院生との懇談、「コンピューター入門、プログラミング、データ解析」の段階的なDX体験を産学連携で実施します。
【のめりこみプログラミング2024】
楽しくプログラミングの基礎を学べる初級コースから、高度なプログラミングを学べる上級コースまで、幅広く受講ができます。
※都合により、開催を延期いたします。(開催日時未定)
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【女性技術者訪問バスツアー】
大分キヤノンから、世界へ。覗いてみよう、将来の可能性。
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【事項3】「アルコール体質を知ろう」 ~ 自分の体質を知り、適正な飲酒によるやさしい酔いを ~
大分大学医学部主催で、本学医学科1年生の希望者を対象に「アルコール体質を知ろう~学ぶ会&座談会」を実施します。
自分のアルコール体質を知り、体質に応じた適正な飲酒について学ぶ機会を設けることで、将来飲酒をする場合に適切にお酒を楽しむ習慣が身につけられるよう、主に飲酒可能年齢に達する前の1年生希望者を対象に体質検査と講義を行うものです。
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【事項4】令和6年 度第1回 大分大学医学部附属病院公開講座 「気をつけたい呼吸器感染症」
高齢者を中心に発症しやすい肺炎、近年増加している非結核性抗酸菌症、そしてCOVID-19の現状と今後気をつけたいことについてお話しします。
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【事項5】夏休み子どもサイエンス2024「ななせの火群(ほむら)まつり出張版」
~「地震」をテーマにした自由研究をやってみよう!~
今年も「夏休み子どもサイエンス」は「ななせの火群(ほむら)まつり」の会場にて出張版を開催します。
本事業は、科学への興味を持った次世代の人材を育成するための活動です。特に昨今の社会情勢から科学的知識の重要性は増しており、それらの情報を家庭単位でも理解・判断する能力が求められています。そのため本イベントでは保護者同伴を必須としており、家庭内における科学リテラシーの向上を目的としています。
今回は「地震」をテーマにして、地震の揺れ方や、揺れに強い家の構造とはどんなものかを実験で確かめます。さらに実験で学んだことを「自由研究」としてレポートにまとめる方法も指導します。是非ご家族みんなでお越しください。
本事業は、大分県内の大学と小中高校の理科教員で組織された「大分県理科・化学教育懇談会」が主催し、例年1,000人以上を動員する国内でも最大級の科学イベントです。専門知識を持った講師から実験指導を受けることができる貴重な機会として好評です。
残念ながらコロナ禍で休止していましたが、一昨年からは「ななせの火群まつり」に小規模ながら出張開催しています。
今年の実験のテーマは、いま特に国民の関心が寄せられている「地震」です。大分県の小学生たちの年齢では、すでに熊本地震の経験も覚えがない世代になりつつあります。震災の記憶が風化する前に、いまいちど親子で興味を持っていただきたいと地震の実験を企画しました。
さらに、「大学の先生が教える自由研究のコツ」として、これら実験を自由研究のレポートとしてまとめる方法も指導します。
担当する講師はサイエンスコミュニケーターとしても活動しており、「分かりやすい!面白い!」と非常に高い評価を受けています。
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【事項6】大分大学STEAM夏祭り2024開催
夏休みの楽しい一日を大分大学で!
科学、技術、工学、芸術、数学などをベースにして、わくわくがいっぱいつまった13の体験講座を用意しています。ぜひご参加ください。
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【事項7】一般講演会「最新天文学が解き明かす宇宙の謎」
~NASAと国立天文台の天文学者が大分にやってくる!~
天文学に関する公開講演会を開催します。世界の第一線で活躍している天文学者3名が、宇宙の謎についてわかりやすくご紹介します。対象は小学生以上・参加費無料です。貴重な機会ですので、是非お誘い合わせの上ご参加ください。
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